京都の夏の終わりをつげる行事である京都大文字の五山の送り火。
近年は新型感染症の影響で規模を縮小して行われていましたが、2023年はどのように開催されるのでしょう。
今年は台風7号が関西地方を通過するため、その影響も心配です。
そこで、2023年の京都大文字五山の送り火について開催日時や場所、送り火の見どころや穴場スポットについて徹底調査し、京都大文字の歴史とともにお伝えします。
五山の送り火を見に行かれる方にはもちろん、五山の送り火についてあまり知らない方にも読んでいただきたい記事です。
ぜひ最後までご覧下さい。
近年は新型感染症の影響で規模を縮小して開催されていた五山の送り火ですが、今年の開催状況について調べてみました。
開催日:2023年8月16日
時間:20時~
開催場所は京都市内5ヶ所
2023年の京都大文字・五山の送り火は8月16日に開催される予定です。
しかし今年は、台風7号の接近に伴い開催の可否は当日に発表ということになっています。
開催場所や点火時間は以下の通りです。
送り火 | 場所 | 点火時間 |
大文字 | 京都市左京区 東山如意ケ嶽 | 20時 |
松ヶ崎妙法 | 京都市左京区 松ヶ崎西山・東山 | 20時5分 |
船形万燈籠 | 京都市北区西賀茂 妙見山(船山) | 20時10分 |
左大文字 | 京都市北区大北山 左大文字山 | 20時15分 |
鳥居形松明 | 京都市右京区嵯峨鳥居本 嵯峨仙翁寺山(曼荼羅山) | 20時20分 |
大文字山の送り火が一番最初に点火され、その後は5分おきに順次点灯されていきます。
全ての送り火に点火されると、京都の町は厳かな送りの灯りに包まれます。
出典:京都観光情報KYOTOdesign
いつもは23時まで点灯している京都タワーも、この日は、五山の送り火の邪魔にならないように消灯しています。
京都大文字の五山の送り火は、よく新聞やニュースで取り上げられるのでご存知の方も多いでしょう。
毎年お盆の最終日にあたる8月16日に京都の5つの山に送り火を灯し、お盆にこの世に帰ってきていたご先祖の霊(祖霊)を再びあの世に送る行事です。
五山の送り火の光で、あの世への道を照らし、祖霊が迷わずあの世へ戻れるようにという思いが込められています。
五山の送り火は「大文字焼き」といわれることもあり耳にしたことがある方もいるのでは?
しかし、この「大文字焼き」という表現は京都ではあまり好まれていません。
その理由としては、送り火はご先祖を送り出すための神聖な火であり、山焼きではないからです。
また、1571年の織田信長の比叡山延暦寺の焼き討ちを連想してしまうので「焼き」という表現はふさわしくないとされています。
送り火で象った「大」の字には、現代まで送り火を受け継いできた人々の思いが込められています。
「大」の字を象るようになった理由として伝えられているのは、
現代では、祖霊を送り出すという意味で広く知られている送り火ですが、昔の人達は厄除けや、無病息災、など泰平の世になるようにという思いを込めて送り火を行っていたのです。
出典:ヤサカタクシー公式サイト
京都大文字の五山の送り火はいつ始まった行事なのでしょう。
江戸時代に書かれた文献に記録されているので、江戸時代に始まっていたのは確か。
起源には諸説あり、平安時代や室町時代から始まっていたという説もある。
起源については諸説あり、平安時代や、室町時代に始まったとされるものあり明確ではありません。
1682年(天和2年)~1686年(貞享3年)に記されたとされる山城国(現在の京都南部)の地誌『雍州府志(ようしゅうふし)』に、お盆の行事として五山の送り火についての記述があったことから、江戸時代には既に送り火が行なわれていたことが明らかになっています。
送り火は宗教行事でありながら、地元の民が中心となって行なわれていた行事なので、きちんとした記録が残されていないのではないかといわれています。
現在は、5つの山で行われ五山の送り火と言われていますが、昔々は9ヶ所で行われていたこともあるそうです。
5つの山の送り火の見どころとなる豆知識とともに、穴場スポットをご紹介します。
大文字の送り火は弘法大師・空海が送り火の法要を始めたのが起源とされています。(※諸説あり)
出典:JBpress
空海を祀った大師道が如意ケ嶽に建立されたことから、「大」の字を送り火で象るようになったといわれています。
穴場スポット:出町柳・丸太町駅から御薗橋(みそのばし)付近
1307年(徳治2年)松ヶ崎の村民が日蓮宗に改宗したおりに、日蓮宗の2人の僧(日像と日良)が送り火を始めたのが起源とされています。
「南無妙法蓮華経」の「妙」と「法」を象り送り火にしました。
穴場スポット:「妙」は京都ノートルダム女子大学周辺 「法」は高野川東側 河合橋から松ヶ崎浄水場周辺
西方寺の慈覚大師・円仁(えんにん)が始めたと伝えられています。
出典:栃木市観光協会
847年(承和14年)遣唐使として訪れていた唐から帰国する途中、円仁は海上で暴風雨に見舞われた。
その際、無事の帰還を祈り「南無阿弥陀仏」を唱え、その願いが通じ無事に帰国できました。
御仏のご加護に感謝した円仁は「船」を象った送り火を始めたとされています。
穴場スポット:上賀茂橋・加茂川の北山大橋から西賀茂橋付近
左大文字については、ほとんど記録がのこされていません。
1637年(寛永14年)~1681年(天和元年)辺りに始まったとされています。
法音寺を中心とした、旧大北村の村民によって受け継がれてきました。
如意ケ嶽の大文字が御所の池に映った様子を見て大北山に五山の送り火を始めたという説もあります。
明治時代は「大」の字ではなく、「天」の字を象った送り火だったこともあるそうです。
穴場スポット:北野白梅町~西大路通り~金閣寺周辺
鳥居形松明の起源は諸説ありますが明確な記録はありません。
弘法大師・空海が始めたとされる説。
伏見稲荷大社のお灯明として始まったという説。
鳥居本が愛宕山の参道であり、そこにある鳥居を送り火で象ったとされる説。
穴場スポット:松尾橋・渡月橋・大覚寺の広沢池付近
京都大文字の五山の送り火についてお伝えしました。
古き時代から現代まで受け継がれてきた五山の送り火には人々の様々な思いが込められています。
ご先祖様に無事あの世に帰って頂けるようにと願う人
家族や身近な大切な人の健康と幸せを願う人
天災や争いによって苦しむ人がいなくなる平和な世を願う人
みなさんは送り火にどんな思いを込めますか…
みなさんの思いや願いが成就するようにと、五山の送り火を見届けようと思います。
最後までご覧くださってありがとうございました。
This website uses cookies.