日本国内のみならず、世界中から観光客が訪れる京都には、たくさんの世界遺産があります。
今回は、数ある京都の世界遺産の一つとして人気のある観光地、【銀閣寺】についてお伝えしていきます。
わびさびを重んじる東山文化の象徴といわれる【銀閣寺】は、派手さはありませんが、簡素で素朴な作りの中にこそ見出せる美しさがあります。
シンプル・イズ・ザ・ベスト!を感じられる【銀閣寺】の魅力をたっぷりとご紹介させていただきます。
是非、最後までご覧ください。
【銀閣寺】は臨済宗相国寺派の大本山である相国寺の塔頭寺院の一つで、正式名称は、東山慈照寺(とうざんじしょうじ)といいます。
開基は足利義政・開山は夢窓疎石(むそうそせき)です。
【銀閣寺】は元々は、室町幕府八代将軍の足利義政が、政治の世界から退いた後に、自身の山荘「東山殿」として建てたものが、義政の没後1490年(延徳2年)2月に臨済宗の寺院となり慈照寺と名付けられました。
【銀閣寺】と呼ばれるようになったのは江戸時代になってからです。
1994年(平成6年)に古都京都の文化遺産として世界遺産に登録されました。
【銀閣寺】と並ぶ京都の人気の観光地「金閣寺」は、その名の通り舎利殿に金箔が貼られ豪華絢爛な建物です。
そのことから【銀閣寺】には、もちろん銀箔が貼られているんだろうと思っている方も多いのですが、実際には【銀閣寺】には銀箔は貼られていません。
なぜ、【銀閣寺】には銀箔が貼られていないのか?と不思議に思いますよね。
その理由については、諸説あって何が真実なのかは明らかにされていませんが、ここでいくつか考えられている理由をご紹介しましょう。
①そもそも【銀閣寺】に銀箔を貼る計画はなかった説
【銀閣寺】を建てた足利義政は、華道を趣味として禅宗文化に帰依した「わびさび人」だったので、銀箔を貼るなどという華やかな装飾は元々計画になかったのではないかと考えられています。
②経済的理由で銀箔が貼られなかった説
足利義政の没後、戦乱や飢饉で経済困難が続き経済的な余裕がなくなったため、銀箔が貼られなかったともいわれています。
③【銀閣寺】には豪華な装飾を施す必要性がなかった説
「金閣寺」は、政治や外交の場として利用されていたため、金箔を貼り豪華な装飾にすることで、主である足利義満の権力を示す必要がありました。
一方の【銀閣寺】は、足利義政が政界引退後に隠居生活を送るための山荘として建てられたものだったので、権力を誇示する必要はなく、豪華な装飾も必要なかったと考えられます。
以上が主な理由として考えられてきました。
近年の科学調査で、【銀閣寺】の観音殿は銀ではなく、黒の漆塗りが施されていたことが明らかになっています。
このことから、当初から銀箔を貼る計画はなかったのでは?と思いますが、真実はわかりませんね。
【銀閣寺】が人気の理由は、不足の中に満たされる心や美を探求しようとする表現や意識、つまり(わびさび)を感じられる場所だからです。
もし、【銀閣寺】に銀箔が貼られてピカピカとした外観だったとしたら、、その魅力は半減していたかもしれませんね。
【銀閣寺】を訪れたら、ここは注目してみていただきたい!という見どころをご紹介!
観音殿は銀閣とよばれ、国宝に指定されています。
西芳寺の瑠璃光殿を参考にして建てられたと伝えられています。
金閣寺の金閣、西本願寺の飛雲閣、銀閣寺の銀閣は日本三大名閣として知られています。
2009年(平成21年)の発掘調査で、室町時代の地層が確認されたことから、観音殿は創建当時の約500年前から現在まで同じ配置であるということが明らかになりました。
二層建築で造られた観音殿は、一層目(下層)は「心空殿(しんくうでん)」といい、書院造でつくられていて、住居として使われていました。
「心空殿」には千体地蔵像が安置されています。
二層目(上層)は「潮音閣(ちょうおんかく)」といわれ、梵鐘形の飾り窓が付けられるなど禅宗様式でつくられています。
二層目にある須弥壇には岩屋観音(いわやかんのん)が安置されています。
観音殿の屋根には観音菩薩を守るため、金閣寺と同じ鳳凰が飾られています。
【銀閣寺】の庭園は、錦鏡池(きんきょうち)を中心とする池泉回遊式庭園です。
国の特別史跡で特別名勝にも指定されています。
江戸時代に改修されていて、創建当時の面影はあまり残ってはいませんが、足利義政が好んだわびさびを感じられる、簡素な作りゆえの美しさがある庭園です。
本堂の前に作られた砂盛り、銀沙灘(ぎんしゅだん)は、白砂を段型に盛り、平面に波紋を表現してあります。
銀沙灘の隣に作られた砂盛り、向月台(こうげつだい)は白砂を円すい台形に盛り上げて作られています。
砂盛りに白砂を使われたのは、白砂に陽光や月光が反射させることで、明り取りとしての効果を得られるという理由もあったようです。
【銀閣寺】の東求堂(とうぐとう)は、1486年(文明18年)に建立されました。
創建当時の姿も残っていて、現存する日本最古の書院造りの建物として国宝に指定されています。
茶室のはじまりとなった建物ともいわれています。
東求堂内部の様子は、春と秋の特別公開時のみに公開されます。
所在地:〒606-8402 京都市左京区銀閣寺町2
地図はこちら↓
TEL:075-771-5725
銀閣寺公式ホームページはこちら
参拝時間:午前8時30分~午後5時 (※12月1日~2月末日は午前9時~午後4時30分)
入場料:大人500円/小・中学生300円
京都市バス:5・7・32・102・203・204系統「銀閣寺道」下車徒歩10分
京都市バス:EX100・105系統「銀閣寺前」下車徒歩5分
銀閣寺に駐車場はありません。
近隣に京都市営駐車場「京都市営銀閣寺観光駐車場」があります。
利用可能時間:午前8時40分~午後5時10分
バス12台・普通車40台
京都市営銀閣寺観光駐車場
075-771-0783地図はこちら↓
京都の世界遺産【銀閣寺】についてお伝えさせていただきました。
足利義政が求めた「わびさび」を具現化し、東山文化の象徴として知られるようになった【銀閣寺】の魅力は、やはりシンプル、簡素、質素であるということ。
「不足の中にこそ見出せる美しさを感じる」という粋な時間を【銀閣寺】で過ごされてみてはいかがでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
This website uses cookies.