間もなく梅雨も明け、暑い夏がやってきます。
天気を気にせずお出かけできるよい季節ではありますが、夏の京都はとにかく暑い!
山に囲まれた京都の暑さはまさに蒸し風呂状態です。
京都観光に行きたいけど暑いのは嫌!ですよね。
そこで今回は、暑い季節でも涼しく京都を堪能できる夏の京都の穴場スポット【糺の森】をご紹介させていただきます。
【糺の森】は京都の町中にある、縄文時代から続く原生林で、京都市民の心のオアシスです。
是非、最後までご覧ください。
京都の穴場観光地【糺の森】どんなところ?
【糺の森】は下鴨神社の社叢林(しゃそうりん)です。
社叢林とは、神社において社殿や神社の境内を囲うように密林している林のことをいいます。
【糺の森】は賀茂川と高野川の合流地点に発達した原生林で、縄文時代から続く歴史ある場所です。
広さは約12万4千平方メートルもあり東京ドーム3個分!
なんですが!
過去の【糺の森】は今よりもっと広かったんですよ!
なんと約495万平方メートル‼坪数でいうと約150万坪!
なぜ今の面積になってしまったのかというと、京都の歴史に関係しているんです。
1470年(文明2年)に応仁の乱の戦火の犠牲になってしまい、【糺の森】は当時の総面積の7割を焼失してしまったと記録に残されています。
その後も、中世の戦乱の被害になってしまったり、明治時代初期の上知令による寺社領の没収などの歴史を経て現在の面積まで減少してしまったということです。
【糺の森】には約40種、ケヤキやエノキなどの落葉樹を中心に4700本の樹木が生育しています。
【糺の森】は原生林ではあるのですが、保全活動として人口的に管理されてきたので、クスノキや赤椿も植えられています。
かつては、下鴨神社の神紋フタバアオイも自生していましたが、林床の乾燥などの影響で年々減少しています。
【糺の森】の由来は、神様の前で偽りを正す(糺す)森という意味で【糺の森】と呼ばれるようになったといわれています。(諸説あり)
この森に一歩足を踏み入れると、心が浄化されるような清々しさを感じます。
長い歴史をもつ【糺の森】は過去の様子と変わってしまった部分もありますが、神秘的で神妙な様は昔も今も変わらず、心のオアシスを求めて多くの人が【糺の森】に訪れるのでしょう。
【糺の森】基本情報
所在地:〒606-0807 京都市左京区下鴨泉川町59-2-15
地図はこちら↓
TEL:075-781-0010
開門時間:午前6時
閉門時間:午後5時
※神社の祭典等により開門・閉門時間が変更になることもあります。
【糺の森】公式ホームページはこちら
京都の穴場観光地【糺の森】下鴨神社に伝わる鴨の七不思議
【糺の森】がある下鴨神社には古くから伝わる「鴨の七不思議」といわれている、七不思議があるんですよ。
- 下鴨神社境内にある比良木社(ひらきしゃ)の木は、種類に関係なく全てヒイラギのようなギザギザの葉になる。
- 下鴨神社境内にある相生社(あいおいしゃ)の横には幹の真ん中でつながっている2本のサカキの木が生えいる。縁結びの神様の力と伝えられています。
- 下鴨神社の冬の参道を彩る赤椿、この赤椿が植えられた理由は、昔、下鴨神社の神職は位が高く薄紫色の衣を着用していました。使いの役人の多くは赤い衣を着用していたため、彼らの赤い衣が目立たないように赤椿を植えたといわれています。
- 昔、【糺の森】に流れる4つの小川の1つ「泉川」の辺りには雨乞いの祈願をする小烏丸社(こがらすしゃ)がありました。祈願が通じて雨が降ると、泉川の石が飛び跳ねたと伝えられています。
- 下鴨神社境内にある御手洗池(みたらいいけ)では、土用の丑の日に清水が湧き出し、水泡が吹き上がるといわれていて、この日に御手洗池に足を浸けると病気にならないと信じられています。この言い伝えが現在の「御手洗祭・足つけ神事」の起源となっています。
- 戦争や干ばつの際、御手洗池と泉川の三角州にある舩島の流れをかき回すと、世が落ち着くと伝えられています。
- 【糺の森】の中心にある切芝は古来より祭場として使われていたといわれていますが、詳細は不明。現在はこの場所で毎年5月12日に、葵祭の前儀「御影祭(みかげまつり)」が行われます。
鴨の七不思議、なかなか興味深いですよね。
京都の穴場観光地【糺の森】古典に残る糺の神
古くから多くの人々から親しまれ、守られてきた【糺の森】は、日本に残る古典作品にも、その名が残されています。
【糺の森】にいらっしゃる神様「糺の神」を信仰していた人もたくさんいたそうです。
憂き世をば 今ぞ別るるとどまらむ 名をば糺の神にまかせて
紫式部 「源氏物語」より
訳:(源氏物語の作中の光源氏が)辛い世を離れる今、自分の噂や名誉の良し悪しは、糺の森の糺の神に委ねよう。
有名な「源氏物語」の中にも【糺の森】の糺の神の名が残されているんですね。
紫式部も糺の神を信じ、【糺の森】を愛していたということですね。
いかにして いかに知らまし偽りを 空に糺すの神なかりせば
中宮定子「枕草子」より
訳:糺の神がいなかったら、どうやってあなたの言葉や心の偽りを知ったらよいのでしょうか。
こちらも有名な作品「枕草子」に糺すの神の名が記されています。
京都の穴場観光地【糺の森】まとめ
今回は、暑い夏でも京都観光を楽しめる、京都の穴場スポット【糺の森】についてご紹介させていただきました。
4700本もの樹木が生育している【糺の森】は市街地とは思えないほど爽やか風が吹き、涼しみながら観光することができるおすすめの場所です。
7月の土用の丑の日には下鴨神社境内の御手洗池で、御手祭の神事も開催されますので、【糺の森】でクールダウンしてから下鴨神社を参拝するのもいいですね。
この機会にお出かけになってみてはいかがでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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