京都岡崎は、京都の都市部と東山山麓の間に位置するエリアを指します。
平安神宮や永観堂、南禅寺などの有名な神社仏閣がある歴史的な町である一方、京都近代美術館や京都市京セラ美術館、京都ロームシアターが立ち並ぶ京都の文化ゾーンとしても知られるエリアです。
近年では、若者にターゲットを絞った町づくりが進められており、注目されているエリアの一つです。
今回ご紹介するのは、そんな話題の岡崎エリアにある京都の老舗うどん・そば屋【権太呂(ごんたろ)】です。
明治時代から受け継がれる味を堪能しに行ってまいりました。
ぜひ最後までご覧下さい。
京都の老舗うどん・そば屋【権太呂】の歴史
権太呂は、老舗といわれるだけあって長い歴史があるお店です。
遡ること113年前の1910年(明治43年)に、大阪で関東風のそば専門店【更科】を創業。
その後1946年(昭和21年)に店舗を京都に移転し、1960年(昭和35年)に店舗名を【権太呂】として京都麴屋町錦で創業を開始しました。
1970年(昭和45年)に権太呂金閣寺店をオープン、1975年(昭和50年)に現在は本店となっている南店をオープンされています。
今回ご紹介する岡崎店は1980年(昭和55年)にオープンされた店舗です。
店舗の営業のみならず、2015年(平成2年)からは、電話・ファックス・インターネットでの通信販売も始められており、時代に合わせた経営で伝統的な味を伝え続けているお店です。
【権太呂】こだわりのだし
京都の老舗うどん・そば屋【権太呂】が100年以上も昔から人々に愛されてきた理由は、権太呂こだわりのだしにあります。
うどんにもそばにも合う秘伝のだしとはどういったものなのでしょう。
権太呂のこだわりのだしについて、どのような素材を使われているのか、権太呂ホームページより紹介させていただきます。
- 羅臼昆布・・・正式名称は「りしえ系えながおにこんぶ」というもので、香りが高く、濃厚でこくのあるだしが取ることができ、「だしの王様」とも呼ばれています。
- 節①うるめ・・・旨味担当、芳醇な香りで旨味が強いだしが取れるのが特徴
- 節②さば・・・コク担当、ごまさばを使用されていて、香りは淡泊なものの、味覚にインパクトをあたえる強いコクがあるのが特徴
- 節③めじか・・・香り担当、上品な甘味があり、余韻の残る香り高さが特徴
- 塩・・・素材の旨みを引き出して、だし全体の味をまとめ上げる効果がある、赤穂の天塩を使用しています。
権太呂のだしは、厳選された5つの素材に加え、もう1つの一番大事なものが加わって完成します。
それは、権太呂の味の命とも言える「出汁」を守る職人。
同じ材料を使えば同じ味が出せるということはありません。
最終的には職人の力量で味が決まるのです。
権太呂のだしには、職人の「一汁」へのこだわりやプライドが必要不可欠だということですね。
【権太呂】おすすめメニュー
今回頂いたお料理は、
権太呂 天ざる御膳
権太呂 岡崎店の人気の御膳としてメニューにも紹介されていた、天ざる御膳を注文しました。
こちらの御膳は、好みの麵類に季節の炊き込みご飯と、小鉢、香物がついています。
天ざる御膳には、サクサクの衣に、プリプリと弾力があり食べごたえたっぷりの大きな海老の天ぷらが2本ついていました。
よく冷えた水で締めたそばを、権太呂こだわりのだしで作られた麵つゆにつけていただきます。
口に入れると、そばの香りとだしの香りが鼻から抜け、適度な硬さに茹でられた麵がスルッとのどを通っていきました。
小鉢のそば実豆腐は胡麻豆腐よりも甘味があり、スッキリした味が特徴的でした。
炊き込みご飯には牛蒡が入っていて素朴な香りがしました。だしが効いていて、具材の旨みがしっかり感じられとても美味しかったです。
そばを注文するとサービスでそば湯をいただくことができます。
そば巻揚げ
そばを海苔で巻き、油で揚げた珍しい料理です。
高温で調理されたそばは、茹でたそば以上に香り高く、そばの味も濃厚でした。
カリカリっとしたそばの食感も新鮮で、こんな食べ方もあるのだなと感じた一品でした。
玉子丼
その名の通り玉子だけが入った丼です。
だし汁をとじた玉子はとろんとろんで、ご飯との相性抜群、見た目よりもしっかりとした味付けなので、上に乗せられた玉子を混ぜても味がぼやけることなく頂けました。
玉子だけで充分という、玉子好きには嬉しい丼でした。
【権太呂】お店情報・アクセス
【権太呂】岡崎店の基本情報
所在地:〒606-8334 京都市左京区岡崎南御所町19
TEL:075-751-7880
定休日:水曜日
営業時間:11時から21時30分(ラストオーダーは21時)
駐車場:有12台分
お店の地図はこちら↓
【権太呂】岡崎店へのアクセス
地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約10分
京都市バス「動物園前」下車徒歩1分
【権太呂】岡崎店の外観・店内の様子
【権太呂】岡崎店の外観はこのような感じです。
入り口の門をくぐると庭にお茶室があります。
お茶室の中も見ることできます。
店内席に加え、この庭にもテーブルがあり、庭で食事を楽しむこともできます。
店内はテーブル席とお座敷の席があり、広々とした作りになっていました。
子ども用椅子やベビーベッド、おむつ替えスペースもあるので、小さな子ども連れでも安心して食事を楽しめます。
まとめ【権太呂】岡崎店のココが素晴らしかった!!
最後にこの記事のまとめとして、今回ご紹介した【権太呂】岡崎店さんでのエピソードをお伝えします。
私が来店した9月某日、お店に向かう途中、近くの公園で何かイベントがおこなわれていました。
車で通り過ぎて何のイベントなのか分からなかったので、注文した料理を運んで来てくださった店員さんに何気なく尋ねてみることに。
その時の店員さんの答えは、「この時期頻繫にイベントが開かれていて、今日のイベントが何のイベントだったのかはっきり覚えていません」とのことでした。
「そうですか、ありがとうございます。」とお礼を言ってその場の会話は終わりました。
しかし、食事を終えて会計待ちでレジ前に並んでいると、質問をした店員さんが来て、「今日行われているイベントは…です。」と教えてくださったのです。
私が来店したのは、土曜日のお昼、店内はほぼ満席状態でとても忙しい時間帯でした。
その忙しい時間にわざわざイベントについて調べてくださり、食事を終え店を出る会計時を見計らって伝えに来てくださったことに本当に感動しました。
【権太呂】さんが100年以上もの歴史をもつ京都の老舗店になったのは、こだわりのだしや味だけでなく、お客に寄り添いもてなそうという温かい接客の心が、現代まで受け継がれているからなのだと感じました。
美味しいお料理と気持ちの良い接客を提供してくれる【権太呂】ぜひ一度訪れてみて下さい。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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